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Reviews

ハピ、ガイアナの 読者の皆様からいただいたご感想です

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「花青」は以前のAmari のヒーラー名(兼作家名)です

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ダイナミックな物語の展開に、読みながら時に息を切らしつつ、でもそれでも、運命の流れを受け入れ、気高く立ち振る舞おうとする登場人物に何とか付いていきたいと、追 いかけるように読みきりました。

ハピよりも遥かに時代を下り、女神のもと精霊たちがそこここで踊り遊ぶような国。さらには神との人との間に、美しい半神の姫が産まれるほどに、両者が結びついていた時 代。しかし同時に、神との繋がりを感じることさえできない人々が増え始めている時。 そんな崇高な神の世界の愛から、人間臭い男女の愛憎までが共存する世界。 登場人物 が多いだけでなく、その波長も思いも実に様々。 物語の内容や展開の深さ・大きさだけでなく、それぞれ波長を大きく違えた存在が物語のなかで関わっていることが、より深 い物語の層を産み出しているようで、読んでいて様々な、降り幅の大きい感情を経験しました。

崇高な神の世界と、人の世界。また人と人との間や、さらには神と呼ばれる物どうしの間にさえも存在する、その周波数の違いや落差。物語の前半は、常にその切なさを感じ ながら読み進めていた気がします。 すでに感情を超越してしまった神々の宇宙レベルの愛と、その愛の恵みに感謝しつつも、どうしても人としての感情の疼きに苦しんでしま う姿。また人同士でも、神同士でも、それぞれの自分なりの善を生きながら、波長の違いのなかでは互いに「わかり会えない」という切なさが深く心に残りました。

また一方では、 女神サラの愛もってすべてをまとめる神の慈愛の存在。あらゆるバランスを調律するために働く神の御技。 高い意識で同調する者どうしの、女性を女神と同 じものとして尊びその愛に答えようとする男と、その男に女神の愛と癒しを惜しみ無く注ぐ女の結び付きの美しさ。性愛の聖なるちから。 ...などなどうっとりするような場面 もしばしばで、特に愛し合う男女や、神と人との間の会話がどれも美しくて素敵で、こんな会話ができる関係に憧れました。

そして、たくさんの登場人物ゆえに枝葉のような、それぞれの物語が存在します。話の流れに応じて、挟み込まれる出来事。それら枝葉の物語が、目まぐるしく場面展開する にもかかわらず、不思議と気持ち良く流れ、登場人物の多さにも戸惑うことはありませんでした。 後半にいくにつれ物語の流れはますます激流になりますが、すべての断片は 取りこぼされることなく、むしろそれらの一つ一つは、実は大きな流れの大事な一部分で、縦糸であり横糸であるのだなと感じました。

それぞれの事象・営みが自然に繋がりあい、それらこそが大きな物語を動かす原動力であったのだと。 つまりは私たち一人一人の営みも同じような輝くべきものであることに 気づき、「私も『私』であることを生ききろう」と思えてきました。

さらに、ハピにおいては、物語自体巫女姫中心の流れであったため、巫女姫を取り巻く愛の形の美しさが際立っていたように思います。しかし、ガイアナにおいては、主人公 の巫女姫を中心とする神がかった愛のかたちの美しさはさることながら、それ以外の人々、神々の愛のかたちも沢山描かれ、その多くも実に美しく睦まじく、巫女姫のそれと 同じかそれを凌駕するほどの輝きでした。

次元や時代をまたいだ、壮大な流れを紡ぐ長い物語でありながら、飽きさせることなくかつ余計なエピソードもない。 この物語を語る視点、それこそ人々を始め神や地球を取 り巻くすべてを見守る、愛の存在の目線と同じなのかなと感じました。

気になったエピソードは沢山あるため中々絞れませんが、人で言うと、王の弟であるジムレイにとくに好感をもちました。ハピに出てくる過去生・その当時の彼よりも、転生 してずっと素敵になったなあ、と(笑)また真面目で紳士的な姿や補佐役として優れている点は、はやはり過去の影響もあるのかな?とか。 あと、地上を舞台にし人々を巻き込 んだ神々の争いや、神の神聖な領域、また遥かな次元を跨いだ旅...などなどの異次元の描写が、違和感なく心に入ってきて、ファンタジー的というよりは歴史的な感覚で読む ことができたのが面白くもありました。

まさに大河ドラマを全編通して見終えたような、深い読後感を味わっています。 今は色んな通過儀礼を通ってきたかのような心境です。 普段の生活では中々実感、理解し得 ない宇宙の理の姿。それを人の言葉で愛と共に感じさせてくれた物語のように思います。

 

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今まで保留?!にしてきたAmari さんの作品ですが、ブログでの無料掲載分を読み出したらいてもたってもおられずに、取り急ぎオーダーしてしまいました。 元々長い作品を読 むのは好きだったのですが、ファンタジー分野にちょっと苦手意識があったのと、小説の場合は内容と同じくらいかそれ以上に、語り口や言葉の使い方がすごく気になるタチ なので、ちょっと「立ち読み」して確認できない物は躊躇しておりました。 そこにようやく?!ブログ掲載され、漸く安心して申し込むことができました。

一巻の中程に差し掛かるまでには、言い回しがどうのという思いは忘れ、物語の流れにのって、ただただ突き進むように読み進んでいました。そして、私にはこの物語はもは やファンタジーとは思えませんでした。 私にとって居心地のよい、快適な神域...と言ってもいいような世界がそこにはありました。 美しい土地と美しい生き方。 そして現在 のそれよりも美しくまた自然であると私には感じられる、男女のありよう。 セイレンと聖王、そして彼女を導いた運命の男の三人の関係は、羨ましい~素敵!と素直に思える ものでした。人間ゆえの葛藤はそれなりにありつつも、互いにそれらを超越した、過不足のない愛の中で繋がっている。

またそのような愛に満ちた関係に鉈を振り落とすような、、女神を否定し荒ぶる他国の王に 『支配しようとなさるのではなく、救いを求めて下さい。女に向かう時...』 とい うセイレンの言葉に、私は心から頷きました。 女性があまりにも力を持っていたゆえに、時に脅かされ利用され、安心して素直に母なる女神の胸に抱かれることが出来なくな ってしまった男性性の存在を気の毒に感じました。 ですからセイレンが、そのように強がり荒ぶって彼女を傷つける男すら受け入れて彼への愛を見いだし、怨むことをやめた ことで、彼がおびえながらも変わりはじめたことを嬉しく見ていました。

さらに、親子の愛や人間同士の勢力争い、立場の違いなど現在と変わらない要素がそのままある世界なのに、人の営みの基本である男女の関わりかた・家族形態が違うとハピ のようなこんなにも伸びやかな世界になるのかと改めて感じました。 「私も生き易そうな世界がここに!」と思いました(笑) そして何より、ドラマや小説に定番といってもい いくらい必ず出てくる裏切りやあらぬ誤解、復讐といった要素がでてこなかったこと、それらがこの物語に含まれていなかったことに気づき、自分が深く引き込まれた理由が わかった気がしました。

もちろん、憎しみや嫉妬、争いの種は有りますし、人々の命が奪われる悲しみはハピでも変わりません。 けれど、闇に関わるものたちですらある意味隠そうとせず悪役であり 続け、自分に正直に、虚栄心ですら素直に表現しているようでした。本心を隠して人に合わせたり、相手に良く思われようと必要以上に自分を欺き飾り立てる人はいなかった ように思います。 それが清々しさを感じさせる理由のひとつかもと感じました。 物語としての厚みや深さ、感情の揺らぎを損なうことなく、ひたすら美しい世界ばかりを旅 できる喜び。 読み終えた今となっては、謎の秘密結社さえ愛しい思いがしますし、闇に消えたものたちすら浄化され、それぞれの役目を果たしたのだと感じます。(悪役も多 いのに、読後もあいつだけは許せない!なんて存在が見当たらないのです。そういえば)

あと、物語の重要アイテムである「薔薇の香油」や「乳香」などの香りがどうにも欲しくなってしまい、リストアップするために読み進める手を何度も止めなければいけなく なりました(笑) 何もかもが美しく、震えるほどいとおしい、、そのような境地を垣間見せてくれる、自分のなかの女神の思いを表出させてくれる作品だと思います。 ガイアナ がますます楽しみです(^^)

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物語の常で、作品世界に入っていくには少々の時間がかかるものの、初めは手探りでもその作品にどんどんと惹き込まれていく快感が「ハピ」にはありました。一巻の途中ま ではまさにその手探りの状態でしたが、セイレンが巫女姫としての暮らしを受け入れつつあるのと同時に、物語の面白さが加速していきました。 光あふれる国、ハピの地に私 自身も立っているような錯覚さえ起こしてしまうほどに。 登場人物の多様さや各国の描写が物語に幅を与えたのはもちろんですが、わずかな伏線でさえもきちんと紡がれてい る点が読者としては納得できますし、安麻里さんの作品への愛情がよく表れていると思います。

読んでいて、やはり母系社会の方が平和な国になるのだな、としみじみ思いました。それは実際の歴史でも証明されていることですが、力で国を支配しようとすると、どうし ても内側から崩壊していくものなのですね。父系社会の象徴としてのツルクのナスタトが、まさかの前世でのつながりや、昇華されきる前のセイレンとの交流がとても印象深 いです。 マルスとリーヴとセイレンの関係は、今の社会では許されないことですが、これはやはり一夫一婦制の制度の社会での感覚だな、と物語中で何度も思いました。人は それぞれに役割が違うので、その人が持つ包容力をその時々に求める事ができるのは、いいなあと思います。

マルスはずっと萩尾望都さんの「11人いる!」の王様のイメージが離れませんでした。最初から終わりまで、本当に風のようでした。アリストはアヤが帰還してから、どん どん感情が出てきて、好感度が上がって行きました。途中まで、とらえどころがないなあ、と思っていましたがセイレンに冷たいといわれて傷ついたと漏らしたくらいからあ れ?と思い始めました。 マルス、リーヴ、アリストの三人は、お互いが支えあっていたのでしょうね。その絆を深めたのは、セイレンだと思います。

マルスの妻たちはそれぞれに違いましたが、みんな筋が通っていて強い点が、読んでいて気持ちがよかったです。タキは憧れですね~。あんなふうに立ちまわれる頭の切れの 良さがほしいです。 そして。セイレンの強さ、しなやかさ、すべてを包む愛は、女神の在り方そのものです。神に導かれるままに人生を選択してきたといっても、やはり本人 の意思がなければどうにもなりません。セイレンにはその芯の強さがあったからこそ、最終的には新世界における役目をも引き受けられたのだと思います。 また、セイレンが 血のつながりなど関係なく、小さい人を慈しむ姿は、読んでいてほほえましいものがありました。

作中、これはレイキかな?とか、もしかしてレムリアンクリスタルかな?と思われる部分が出てくるので、それはまた違う意味で楽しめました。石の描写が多いのも、安麻里 さんならではでしょうか。 三冊読み終えるまで、特に一冊目は読み進めるのに時間が開いてしまった事がありましたが、途中からは気がつくとずっとハピの世界にいたような 気がします。幻想でありながら、現実感もあるのがおもしろいですね。雄大な世界にしばし浸れる機会をくださり、ありがとうございました。

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彼らは確かにそこにいた ~『ハピの巫女姫』に寄せて ~

永遠の魂を信じる(知っている)者にとって、文句なしに興味深く、また人類の来し方に想いを馳すことのできる美しい物語でした。ハードな内容といえると思うのですが、 それをさらりと語る安麻里さんの紡ぐ文章がとても心地よく、どんどん物語に引き込まれてしまいました。 とはいえ、あまりにも1、2巻でのめり込み過ぎたため(笑)3巻に 進むのに間が開いてしまいました。

だんだんと「面白い」という気持ち、感覚だけでは、読み進めなくなったのです。非常に読む私にも、パワーというかエネルギー というか、ある程度元気な状態が必要になっ ていたようです。これは私に限ってのこととは思いますが、情報量が多すぎて処理するのに時間が必要だったのかも知れません。 私が一番気になった人物...それは**です。 意外な結末でしたね。でも納得でした。それと**も、はぁ~こうなるわけね、と...。

 

細かい支流の糸、枝葉と思われたエピソード、人物たちが、最後には見事に本流へと戻り、大きな流れとなって流れ込んで来ました(もうこれは読んだ者にしか理解できない お話でしょう^^)。 挙げ始めるともう色々書きたくなってしまいますが、輪廻転生の不思議というか、緻密さにはびっくりですね。これはファンタジー...ということです が、実際こんな時代があったんだろう、と思わずにはいられません。それにきっと、誰もがこの宇宙の精密な世界に何度も何度も転生して、三次元で生きることによる喜び この場合、苦難も「喜び」ですね^^)を享受してきたんだと思うと、人生って悪くない、と心から思います。

全編を貫く歴史絵巻のような壮大さ、、、その中にもそれぞれの心の揺らぎ、感受性の強さ、優しさ、無償の愛があり。。。いろんなところに感情移入が出来て、わかるわか る...って気持ちで、時には愛に包まれ、時には切なくなり。女神という存在のたおやかさ、強さを主人公のセイレンを通して感じていました。また、今までないがしろにされ がちであった、女性の素晴らしさというんでしょうか、、、これからの統合の時代、それを認識することはとても重要なんだろうなぁ、と思いました。きっと、それぞれ認識 するだけでいいのではないでしょうか?そうすることで発動するような...?

安麻里さんが今まで長年温めて書き綴ってこられた様々命題(といっていいでしょうか。)は、読み手にとっても様々な気付きをもたらしますね。今世、女性として生まれ、 この時代を生きる私たちにとって、自らの中に眠る女神性に光を当てること...それこそが人生の喜びへと繋がるのかも知れません。それはきっと、あらゆる命の糧になるので しょう。 セイレンたちの生きた時代、自分の意思だけでは生きられない、定めがはがゆくもあり切なくもあり...。そんな中でも、愛を以って生きるセイレンをはじめとする 人々にとても感動しました。それに比べると今ってなんて自由なんでしょう。自由な中に愛があるなんて、素晴らしいことですよね。

それにしても! 安麻里さんの頭の中を覗いてみたい!! セイレンとマルスの関係の拠り所、リーヴやナスタトとの過去世からの繋がり...。それに最後の舞台は日本ですよ ね。物語としても単純に面白いです。でもやっぱり、このピースがカチッ、カチッとはまる感じは、スピリチュアルに興味が向いてる人にしかわからないかもしれません~^ ^ セイレンと共に、一つの時代を生きたような、そんな心地よい疲労感を感じるほど、深く入ってしまいました。少し気持ちを休めてから、次に行きたいと思います(笑) ありがとうございました。

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花青さんのエネルギーワーク&セッションがとても好きでお世話になってきた私は、「花青さん(安麻里さん)は、一体どんな小説を書かれるのだろう?」と単純に興味を持 ち、この本を手に取りました。花青さんのセッションが好きであるにも関わらず、女神も超古代文明もどこか遠い無関係な存在に感じられて仕方なく、またそれらについての 知識もなかった私は、「この小説を読んで、勉強させてもらおう」みたいな気持ちもありました。

そうしたら!お勉強どころの話ではなく、面白くて面白くて(笑)。最初は、描きだされる「ハピ」という国の美しさにゆったりと気持ちよく浸っていましたが、グングン加 速度を増して繰り広げられる人間達のドラマに引き込まれて、先へ先へと夢中で読んでしまいました。抽象的な、優しい光のような物語を予想していたのですけど、1つの大 陸が終焉する時代を生きた人々の心臓の鼓動が、慟哭の叫びが聞こえてきそうな熱い人間物語に心揺さぶられて、時に涙し、読み終えた時は、登場人物達と一緒に激動のドラ マを体験し終えたような、心地よい疲労感すら感じながら、「あ~、面白かった!!」と妙に清々しく本を閉じたのでした(「この後、世界がどうなるのか知りた~い!」と いう思いは、『ガイアナ神謡集』へ向かいます:笑)。

私はこの小説を読むことによって初めて、女神という存在と本当に出会うことができたような気がします。誰かと一緒に過ごす時間の中で、魔法のように起こった何かによっ て心の垣根が消え、お互いのピュアな部分で交流する瞬間が訪れることがあります。そんな時というのは、自分やその相手を彩る社会的な装飾や性格、感情や思考さえ消え て、魂が手を繋いでいるような心地になります。「ハピの巫女姫」を読んで、私は女神という存在に、そんな風に触れることができたような気がするのです。そして芽生えた (取り戻した?)のは、女神への純粋な憧れでした。

何故こんなことが起こったのだろう?とずっと考えていました。女神に対してどこか斜に構えていた気持ちが溶解して完全に消え去ったのは、セイレンとナスタトのエピソー ドを読み終えた時だったかもしれません。まぎれもない人間の女性であるセイレンの、感情をもつ人間であるが故に自らが置かれた状況に苦悩する女性の中に現れた女神性の 愛。セイレンの心象風景の変遷とナスタトの変化。地上の2人の人間によって表現された女神の愛を読んだ時に、胸につっかえていた何かが消えていきました。私もセイレン を通して、女神の秘儀を受けたのかもしれません(笑)。 物語が発する熱によって、私の中の色々な限界が熔けていきました。

全3巻を読み終えた時、恋愛、性、女神、女性性ということについて自分が全く新しい境地に向かい始めたことを感じました。そして心の中に湧き上がってきたのは、「巫女 のように生きたい」という思いです。 「巫女」といっても、サイキック能力を追求とか、儀式とかパワースポット巡りというような意味ではなくて、空の星々や自然、そして 地球と調和して、それを感じながら、日々生きていきたいと。それもこの、現代文明の雑音が鳴り響くなかでそれに乱されることなく、また同時に現代を拒絶することもな く、清らかな自然の中にあるのと同じように都会の雑音の中にあっても大いなる宇宙のリズムを見失うことなく、自己の真実を生きていくことができたらと思ったのです。 「ハピの巫女姫」体験は、私をそんな壮大な夢へと導いてくれました。素晴らしい出会いでした。ありがとうございます。

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ハピを読み終えたときとは全く違う、独特で濃厚な感覚に包まれています。読み進めている間も、なんというか静かな、淡々としたでもとても力強いエネルギーに包まれてい たように思います。ひとつひとつのエピソードに感情が揺さぶられることも、ハピと比べると淡い感覚。。これはやっぱり作品の周波数からなのかな・・?(もちろん面白さ やストーリーへの引き込まれ具合は同じなのですが) 全体を彩る、薔薇色がかった淡い金色が、今も目の前に広がるようです。。

一つ一つの情景をくっきりとイメージすることを自分に課しながら、丁寧に丁寧に読んでいくのが、ほんとに楽しかった。ストーリーを早く読み進めたいよ~(笑)という心 に少し黙っていてもらって、登場人物の瞳の色や、表情、たたずまい、建物の雰囲気、町や森の情景、神々の世界・・・それらがとても愛おしく、読み終えるのがもったいな くてもったいなくて。きっとまた、何度も何度も読み返してしまいそうです。

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ハピを読み終えたときとは全く違う、独特で濃厚な感覚に包まれています。読み進めている間も、なんというか静かな、淡々としたでもとても力強いエネルギーに包まれてい たように思います。ひとつひとつのエピソードに感情が揺さぶられることも、ハピと比べると淡い感覚。。これはやっぱり作品の周波数からなのかな・・?(もちろん面白さ やストーリーへの引き込まれ具合は同じなのですが) 全体を彩る、薔薇色がかった淡い金色が、今も目の前に広がるようです。。

一つ一つの情景をくっきりとイメージすることを自分に課しながら、丁寧に丁寧に読んでいくのが、ほんとに楽しかった。ストーリーを早く読み進めたいよ~(笑)という心 に少し黙っていてもらって、登場人物の瞳の色や、表情、たたずまい、建物の雰囲気、町や森の情景、神々の世界・・・それらがとても愛おしく、読み終えるのがもったいな くてもったいなくて。きっとまた、何度も何度も読み返してしまいそうです。

登場人物もトリシア、レオダイをはじめ、すてきな人ばかりで、前作からも思い入れも働いて、この人!とは決められない(笑)。。けど・・今回はなぜか、名前を知っただ けで好きになる人物が何人かいました。ウルムト、セレシア、カリュプトラ、人ではないけどスシュ、などなど。。名は体を表す、というけれど、どの人物もその人物像と名 前がぴったりすぎる!それもこの作品の魅力の一つだなぁと感じました。

エピソードでは、アルゴが***に変容し、レオダイと***、*****する、というところが好きで印象的でした。女神の御技とはこのようなものなのだなぁ~、素晴ら しいなぁと。女神サラの存在は、ずっと読み進めている私にも支えになってくれてました。レオダイが絵を描き始める場面では、もう、しばらく読み進めることもできないく らいに、ああ~絵が描きたい~と悶絶してしまいました(笑)。

素敵な人物が多い中で、現代の始まりを思わせるような利己的な考えの人物たちへは、クロエやジムレイのように、悔しく歯がゆい思いを何度も味わいました。でも、それさ えも静かに愛する神々の視点に、ただただ心洗われて静かになってゆく・・・。諦めや絶望ではない境地を知らされる・・・。 前作では、本当にエネルギーワークのように作 用してくれた、と感想に書きましたが、この「ガイアナ神謡集」も、間違いなく、そうでした。

個人的な話になりますが、前年後半から、苦しい、苦しい、目覚めの試練の中にいました。自分が間違っていたことを認めなくてはならず、人のせいにしてしまってことも、 頭でわかったつもりになっていたことも認めなくてはならず、恥ずかしさに打ちのめされました。たくさんの物や、大切に思っていたのに苦しめていたかもしれない人たち、 しがみついていたことにも気がつかなかったようなこと、ともさよならしました。 その間ずっと、その作品や著書で励まし、慰め、導いて下さった方々が、今思えば3人いら っしゃるのですが、その中の一人が安麻里さんです。

安麻里さんの作品は優雅にふわりと優しく、でもパワフルに揺るぎ無く導いてくれる。魂の、生命の輝きを思い出させてくれる・・。(実はこのガイアナを読み終えた直後に は、その3人の中の一人であるミュージシャンの方と実際にお会いできました。金色に輝くオーラの歌声に包まれて、さらに言葉を交わすこともできたこと、女神の導きに感 謝です^^)すばらしい作品とご縁を頂けたことに、感謝します。ありがとうございます。

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全体的な印象として、行間から常に“香り(匂い)”がたちのぼっているように感じました。庭に咲き乱れる花の香り、薔薇の香り、たきしめられる香の香り、乳茶の香り、深 い森の匂い、土の匂い、汗の匂い、etc....。 途中まではセイレンがあまりにも淡々と運命に従っているように感じ、いくら巫女とは言え、もう少し感情をあらわにすることは ないのかしらと思っていましたが、そのうち、従うというよりは逆らわず判断せずに受け入れて、その中で自分がとるべき最善の道を進むという、ある意味能動的な行動とい えるのかと思いました。

恋をしたくなりました。 一方で、今生ではおそらくもう女神の器を使うことなく、新しい命を生み出すことのない自分を、残念に思いました。もう少し若い時期にこの小説と 出会えていたら、自分の女性性を表現することへの躊躇がなくなっていたかもしれません。(...というのは、大げさでしょうか?) 登場人物の中では、セイレンやリーヴは当 然素敵ですが、イシののびやかな明るいすっきりとした存在感(←自分がそうありたい)、タキの強さ逞しさ(←自分に足りないもの)に惹かれます。**も好きな登場人物 なのですが、まさか***とは!終盤でそれが明らかになる場面には、本当にびっくりしました。 セイレンのDNAが、太古の祖先として私のDNAの中にも受け継がれてい たりして ・・などと想像すると、素敵な気持ちになりますね。

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安麻里さんの作品はすべて、魂の故郷へ帰っていくような心地よさと、私の内部を刺激し、挑発するような感覚を同時にもたらしてくれる。波瀾万丈のストーリーの裏には、 厳密な「ウツ(宇宙)」の法則...冷徹なまでに完璧な、愛と調和の法則が流れている。 魅力的なキャラクター達は、非情に思える運命の波に翻弄されるように見えても、決し て人生をあきらめない。

遥か古代の神秘をあらわす時代、神々と交感できた美しい時代。彼らは人として悩み、苦しみながらも人生の歓喜を味わいつくそうと懸命に生きる。やがて時が来ると静かに 自分の使命を受け入れ、そこで精一杯の花を咲かせようとするのだ。 そんな彼らのひたむきな姿には、時代を超えて私たちの心を打つ普遍性がある。そこには宇宙のひとかけ らである、微小かつ壮大な人間という存在への敬意、切なく美しい愛がある。そしてそれを感じられるからこそ、彼女の作品は私たちの魂に響く深い感動を与えるのだろう。

封印してきた記憶のカプセルが、静かに開かれるとき。 それは決定的な瞬間だ。魂の夜明けだ。 おかえり、おかえり。私たちはずっとこの時を待っていたんだよ... 私たち は、彼女の作品から教訓を敢えて追い求めようとしなくてもいい。 ただ華麗なストーリーを楽しみ、味わうだけでいい。 読み進むうちに、私たちの内部にひっそりと存在す る、太古からの秘密の小箱...それを開けるような「何か」が動く。静かに、しかし確実にそれは動き、共振する。私たちは、その感覚をただ受け取り、安心して身を委ねるだ けでいいのだ。

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何カ月か前に購入していたハピの巫女姫を、何故かしばらくは本棚にあったのですが、(実は、買ったけどまさか私、読まないのでは・・とさえ思っていたのですが)クリス マスを前に急に読み始め、そのあとは一気に読み進めました。 いや~おもしろかったです! ほんと、日本人女性の中にある神聖さと清らかさを体現したようなセイレンに は、透明さに憧れつつ、ずっとなんだか寄り添うように読み進めていましたし、一番好きだった登場人物の**が!・・・と展開にも度肝をぬかれて、純粋に楽しめました。

しばらくは本棚にあった理由も、内容と私の心象を照らし合わせて唸るような部分もあって、ああ、準備だったのだなぁ、なんて思ったり。ほんと、エネルギーワークのよう な作用がありますね。 クリスマスには鞄に3巻を入れて、娘と関東方面へ出かけたのですが、気分の赴くまま出かけた水族館では大きな白蛇さんに出会って、ああ!なんて思 わず反射的に手を合わせていました(笑)。 女性としての性をあらためて思う・・・こともできました。 私自身が愛する人から性的な暴力を受けていた時期もあり、そんな ときにフェミニズムや心理学に救いを求めたこともありました。そこから導かれるようにスピリチュアルへ移行してきた私なので、性は大きなテーマでもあったのです。

性は一般に弄ばれ歪められた側面だけではない、神聖な部分があると確信していましたが(力があるだけに歪められていったのでしょうが)、この物語でさらに肯定的にそう 感じることができました。 また、このような壮大な物語が、花青さんの中でどのように出来ていくのか、構築されていく様子を知りたいなぁと純粋に思いました。登場人物そ れぞれが神と自分の真実に沿って生きている、わたしにとっては本当にリアルな世界でした。

日々、自分に正直に生きてゆくにつれて、道はいかようにも拓けていくことを信じています。でも痛みは必ず伴う・・。そんな私に女神からのプレゼントのような3冊でし た。本棚にあった数か月の間は、何をするにもどうしようもなく虚しさを感じるほど別の何か(それはたぶんハピの中にでてくる幽世のようなもの)に強くひきつけられてい て、でもその空しさはまぎれもなく私の真実の一部で、それが自分の一部として受け入れられるまで、女神は待っていてくれたのだと思います。

 

自分にとって真実を受け入 れ、ともなう痛みをただ引き受けていたとき、それでもまた生と性を希求し、ただ静かに創造してゆく勇気をもらった気がします。勇気というよりは本能とか衝動とかに近い かも・・。エネルギーなんですね、抗えない。

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「ハピの巫女姫」が自宅に届くとすぐ読み始め、長編3冊を連休を利用して一気に読んでしまいました。この小説を読もうと思ったきっかけは・・・詳細に書いてありました 「巫女姫」、「女神」、「女性性」のキーワードが気になったからです。「巫女姫」ってどんなお姫様?て思ったのと、今世の私のテーマでもあります「女性性」の学びのヒ ントにもなるのではないかと思ったからです。スピリチュアルな事が大好きな私ですが、今回はその点ではなく、「読んでみよう」「読まなくては・・」という心の声に促さ れて読み始めた感じです。 読み始めから物語の中にすーっと引き込まれ、時間を忘れて読むことに没頭しました。気がつくと、主人公と自分が重なりあうのではなくて、そば で見ている、あるいは物語の中で自分も参加しているような感覚でした。

悲しくなったり、楽しくなったり。 特に涙が出るほど感動した部分は、******* です。自分の情を捨てて使命をまっとうしようとしたセイレンの意志の強さに感動し ました。共感して涙がでてきましたが、よくよく考えてみると、セイレンはその使命感の源にあるのは「女性性」から出る’守り’であり、私の場合は「男性性」からでる「攻 め」の使命感ではないかと感じました。ちょっとうまく言葉にできませんが・・・「使命感」といっても源が違うような・・・私は、過去に男性の戦士としてこのような経験 をした気がします。でもなぜかセイレンの気持ちが感覚的に分かってしまい、涙が溢れ出てきました。

もう1ヶ所涙が出たところは、******* です。自分に課せられた役目、宿命に逆らわず受け入れる強さとやさしさ。ここでも、感情を抑えて使命を果たそうとしている セイレンに共感して涙が出てしまいました。 意外でびっくりした所は、******* です。驚いたと同時に「面白い!!」と思いました。「それからどうなるの-」っ て今後の展開も楽しみになってきました。本当にこの場面は意外でした^^ 過去世に意識が飛んで、アリアドだったセイレン、ラフムだったリーヴ、ハピ王だったナスタトそ してゼフィーだったマルス。過去の因縁としてもう一つの場面でかかわった4人。この展開は、物語の広がりというよりさらに深みが増し、複雑な絡みがあるけれどシンプル みたいな感覚で、おもしろかったです。

「マルスは誰?」と読んでいくうち、早く過去世でのマルスを知りたくなりましたが、******* と知って、納得。・・・とてもすてきな話でした。 そして最終場面で の東の見知らぬ島で、******* ここで、何故か初めて巫女姫としての大変さを感じたのでした。いわゆる女神の化身としての聖娼の仕事が・・・思いやりと感謝の気 持ちで位下の者と交わり、女神のエネルギーで癒す仕事。不思議と人質としてナスタトの意のままに扱われていた時は感じなかったのに、この場面で「大変だな~私にはでき ない!!」って感じました。

今世は「女性性」が私のテーマなので、いつも意識して生きています。結婚して19年間、妻と母親の立場で家を守り、仕事はソウルメイトの片腕として会社を支え、、趣味 のバレーボールではディフェンスのレシーバをやらされ・・・考えてみると全て「守り」の部分を受け持っています。本当は「攻め」の男性性のエネルギーが心地よく感じら れ、「待つ」「守る」の女性エネルギーは苦手です。今までは「出して」から「受ける」行動をとってきた私ですが、最近になって「受けて」から「出す」姿勢も必要だと気 づき、意識して「受身」「守り」の立場をとろうとしています。

そんな時、この物語に出会いました。 セイレンは女神の代人「女性性」そのものです。私の学ぶべき究極の姿です。私だったら・・・と時々自分に質問しながら読んでいまし たが、とてもまねできない行動、姿勢ばかりでした。ハピの巫女姫を読み終わって、私の中でセイレンが生き続け、自然に女性性が滲み出てくるようになればいいなと思って います。

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まずこの2つの小説を読んで、私自身の印象で「石」に例えるなら「ハピの巫女姫」はラリマーで、「ガイアナ神謡集」はスギライトといったとこ ろでしょうか。本当にこの2 つはその作品の持つカラー、雰囲気が全然違いますし、一緒の感想文としてまとめてしまうのはどうかと思ったのですが、何となく私の中では分かち難いものでしたので、ち ょっと無茶をして一括りとしてしまいました。

この2つの小説の連載期間中は、共に長い旅をしてきたような感じです。どちらも母系社会という、現代では考えられない社会システムの中、ハピでは、セイレンという一人 の女性を柱として、そしてガイアナではレオダイ(ガイアナ王)とトリシア(ガイアナ神殿の巫女姫)という二柱を軸として、物語が展開してゆきます。そしてこの2つの世 界には、とても身近に「神」が顕在しています。読んでいて思ったのは、この母系社会がより自然なんだと感じられたことです。

もともと世界にはこれだけ男性も女性も存在しているのに、結婚という形で結ばれるのはたった1人のみというのは、無理があるのでは・・と思っていました。(私自身は多 感というわけではないのですが・笑) でもこういう大らかな社会は、かつて確かに存在していたと思うのです。そしてここで描かれている母系社会を抵抗無く受入れ、懐かし んでいる私が居ました。物語はそれぞれとてもドラマティックで、、週1の連載でしたが、次の週がとても待ち遠しかったです。ハピは、ハナオさんも仰っていましたが、巫 女姫セイレンの17才から物語が終わるまで(31才)の生き方を描いた大河小説です。

セイレンは巫女たちの長である巫女姫として成長を続けながら、国や、果ては世界を導いてゆきます。 神に一番近いとはいえ、まぎれもなく人間の一女性ですから、様々な感 情を持ち、また色々な試練も乗り越えてゆかなければなりません。連載中はそんなセイレンに感情移入し、本当に一緒に泣き、笑ったりしていました。それに対してガイアナ は、同じく巫女姫としてトリシアが登場しますが、彼女は半神という生い立ちと、その魂の根源からも、ある程度はヒトを超越した存在として描かれています。

彼女と相思相愛の主人公レオダイにしても、肉体的には人間ですが、魂はさる神の分魂、そしてハピのセイレンもここでは女神として登場したりと全体的に次元が上がってい て、より宇宙的です。 ですので、感情移入するというレベルではなく、壮大な話にワクワクしながらも大きなエネルギーの中に身を委ねていた感じです。実際この小説を書か れることで、ハナオさんのエネルギーも高くなったのではないでしょうか。さて、そんなスペースファンタジアなガイアナですが、読んでいて嬉しかったのは、ハピの懐かし い面々がガイアナで転生していること。ここでの「再会」に喜びつつ、改めてその繋がりに驚嘆したりと本当に楽しむことができました。

私はハピの後半から購読し始めましたので、実質2年余りほどお付き合いさせていただきました。毎週土曜日は配信日でしたので、先日ついに連載終了日を迎えた日は非常に 寂しく、何か心にポッカリ穴が(笑)。でもガイアナの続編なども、ハナオさんが密かに(?)書き綴られているようですし、また新たな機会に彼らに再び出逢えるのを楽し みにしています。

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花青さんが綴られる言葉を読むと何故だか泣きたくなります。 わたしが日常の生活でなおざりにしてしまっている、誰かに恋をしたり愛おしく思う気持ちが息を吹き返すよう です。わたしの心の中には、花青さんが書かれる理想郷(私にとってはそうなのです)に似たものがあります。 「美しい人々が愛に生きている。」 シンプルに言ってしまえ ば、そんな世界です。

わたしは、映画や物語に触れることを極力避けています。何故なら、その多くには暴力や欲望が描かれすぎていて、それを目にすると疲れを覚えてしまうからです。 花青さん の世界にはそんな粗野なものの欠片もなく、わたしの中の純粋な部分を解放させて遊ばせてあげることができます。それでいて、花青さんの描かれる美しい世界は読んでいて つらいのです。自分が、その世界に生きていないことがつらくなるのです。 「わたしもこの世界で生きていきたい。」などと、地に足が着かない夢でいっぱいになってしまう のです。

もしかして、そんな美しい世界にいたことがわたしにもあったかもしれません。だからあんなにも恋しくて苦しいのかもしれません。 花青さんの描く世界はわたしの欲しいも のばかりがつまっていて、読んでいくことで、わたしはこの3次元で生きていけなくなりそうなのです。彼女の作品を読むことは、魂がバカンスに出かけるようなものです。

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