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いつもブログも楽しみに読んでいます。 今回は「ハピの巫女姫」をやっと読了しましたので、僭越ですが、感想をお送りします。 あまりに壮大なのと、価値観の混乱と、何か過去世のような感情がいっぱいでしばらく現実に帰ってこれませんでした。(ガイアナはもっと壮大なのですよね......(^ ^;)) ハピ国の設定が、母系社会ですので、まず、女神信仰というものを感覚として、構築していく必要がありました。女神信仰の真髄を理解しないで読むと、聖娼制度の 大事なところや、セイレンの行動基準、また、周りの人たちの価値観がなかなか理解できませんよね。 特に、セイレンがツルクに行ってからは女神の感覚を持てるがゆえのセ イレンの行動なので、持ててない私は、セイレンとのギャップで読書が止まってしまいました。
で。しばらくしてボーっとしている時に、聖娼の実際場面が、私に降りてきました。それは、理想的な聖娼と信心深い男との交合の場面で、とても、感動深いものでした。そ れを経て、やっと、『ああ、女神信仰とは、女神の加護とはこういうものか』と解ったのです。 それに付随して、沢山の情報や理解を得ました。エネルギーとしての女神性、 男神性の理解は特に感慨深く、女神は器。それも、生み出す器であり、キャンバスのような場でもある。男神は意思。 女神の場に、どういった存在を創って欲しいのか、創造 するもの。鍵を握っているのは【女神の満足度】。女神は愛による男神の意思のみを豊穣に結びつけるから。
支配による命令を男神がすると、それは、女神の満足と対立するため、不調和な存在が創造されてしまう。 それは、女神の器であるキャンバス=この世を破っているようなも の。キャンバス自体が破れていくと絵が描けないように、やがて、その絵は崩壊する。女神信仰で、聖娼の役割は、「与えること」ですが、与えるには、エネルギーが必要で す。 聖娼は女神自身からエネルギーを与えてもらっていますが基本、これは男の役割だと思うのです。女神を繁栄させるためにパワーを使うこと。それは、豊穣に対する労働 や(作物作りとか、山の手入れとか、動物の世話とか)芸術で、女神の感覚を悦ばせるとか、妊娠や出産、子育てなど、女性が負う仕事に、協力する姿勢とかもちろん、性的 にも女性を満足させる努力をすること、とか。。。
そういった事が、男の役割。女神を満足させればさせるほど、男は繁栄をいただける。それが女神をたたえる信仰の本質。それは、3巻の最後にもヤンとメイがカヤトに言っ ていましたよね。 男性の器が小さければ、女性も小さくなってしまう、と。 ひとつ、悩んだのが、両性の存在です。大地神ムウや、中性的な美しさを持つマルス、そして半 男のレア。 彼らの存在は、宇宙(ウツ)を小反映しているのでしょうか?すべてを受け持ち、また、持たず、どちらにもなれる。ドラマが展開する場の外にいる空(くう)の ような存在でした。 “にんげん”という存在は、場というドラマに投げ込まれています。場は女神であり、場に垂直にまじわる意思=男たちがおり、にんげんたちは、そこで女 神や男神の葛藤も体験します。女神のおおきな特徴に 「再生」がありますよね。それを描いたのが、ナスタトとのエピソードであった気がします。
徹底的に女性性を踏みにじられたセイレン。個人としては死ぬほうがマシのような状況で、ハピ女神の意思を守ろうとします。とても強い信仰心と愛。ハピ女神が何を伝えよ うとしているか、ただただ知りたかった...... とても意味深いものが背後にある、と私は多くのことに気づきました。個人としては、体に入ったものを感じたら耐えらない嫌悪 感があります。一方で、女神なら、そんなものさえ“肥し?”にして、進化するんじゃないかな、とかも思い、エネルギー的に変容させてしまう力がある気がしました。
オチが言っていた 「さほど好きでない男でも、お腹の中の父親だと思うと、愛しく思える。それが不思議だ」という感覚とよく似た変容力とでもいいましょうか。これを持っ ている限り、女は自身で再生できるのです。それを発見できるかどうか、が女性の試練なのでしょう。なので本当は、性的な器官への支配は、女神には一切通用しない、とい うことです。変容・再生させてしまうのですから。 ―救いを求めるように抱いてください、そうすれば、女の中に在る女神の質が、呼びさまされる― 調和・繁栄への、正し い形のレクチャーでした(笑)
セイレンから学んだことで大きかったのは「運命をコントロールしようとしない」ということです。ただ流されているのでなく、「挑戦的に受け入れている」という姿勢。力 強いヒロインは皆、このタイプ。
現代は、環境が一律化しているせいか、皆、何か、になろうとします。これは、ある意味、自分で運命をコントロールしよう、とすることで、非常にストレスなのです。 「夢」という言葉で味付けされてますしね。この葛藤でせんど努力したあと、結局は、いきつく先は、運命なのに。 どんなにどん底でも、環境が気にいらなくても、それがそ の人の運命。ですから、それを受け入れること。そして、やってきた試練から逃げずに、積極的に行動しようとすること。それは時に残虐でもあり、マルスやリーヴは、セイ レンのその態度に悲しまさてれますね。苦しいのは、そんなセイレンを何よりも理解し、尊敬し、憧憬している事です。 「そんな貴方だからこそ、愛しています」 てなもの です。
私が登場人物で一番近いのは、リーヴ・クラトです。これはビックリしました。読み終わった後、胸が苦しくて、30分ほど泣いたのですが気持ちはリーヴだったからです。 ハピから出国する時、セイレンと一緒に死にたかったのです。でも、出来ない。セイレンのことが何より解るから。この葛藤を、もう、幾とせ繰り返してきたことでしょう か。 全然、今まで気づいてませんでした。私の過去世か平行世は、こういった男性を何回も繰り返しているようです。 聖なるものへの憧れ、騎士...... 武士もやってますが女 性に聖なるものは求めず、この時は教義や思想に夢中になっていました。妻は現在の母でした。この時から “この女には分からないな” と半ばバカにした意識を思っておりまし た。今世でも同じような関係でした。 あー歴史は繰り返す(笑)この傾向が、現在の私の不具合を創っています。 「憧れ」と「哀しみ」 どうやっても自分の愛は叶わない。この 葛藤。アストラル体に、ため込まれた悲しみが、ついに許容量を超えたのです。グズグズと泣いていると不意に【あなたの使命は何なのですか?】という言葉がやってきまし た。少し呆れたような女神のエネルギーでした。
そこでハッとしました。私は......ロマンスと高次元への憧憬を混ぜ、それを得られない、と嘆いているが得られない or 得られると思っていること自体幻想だし、外の愛に囚 われていた証拠、と分かったのです。 自分の使命? 憧憬した人が何よりも忠実だった使命。私の......は?そこで、目が覚めたのです。何世にもわたって失敗してきた原因が。 リーヴが私のような失敗をしているとは思いませんが、少なくとも、彼のキャラクターは私の中を引き出しました。その後のセイレンを知って、リーヴ性格の私、かなり拍子 抜け。たくましく?****いるのですもの(笑) 子どももいっぱい生んで。 女神ですから。
そうなんですよねー 高次元の人は、こうなんです。 自分もそのくらいにならないと、側に立てないんですよねー 【あなたの使命は何なのですか?】 を、クリアすると、きっ と自然に側に憧憬があるのでしょう。 その時は、自分が憧憬そのものになっているのでしょう。 長い! すみません。長くなりすぎました。でも、どうしても、これくらいは 書かずにいられませんでした。 それくらい【意識】を刺激された物語でした。知恵熱のようなものが出たくらいです(苦笑)
この先は、ガイアナです。これは、もうちょっと体力つけてからです。小説紹介サイトに、またハピの外伝みたいなのも書きたい、とありましたので「あー読みたい!?」と 思いましたが、、、、、大変ですよね? お忙しいですもんね...... でも、気長にじっと待っています。 とても、素晴らしい物語、ありがとうございました。 一生の宝物にしま す。
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ハピも壮大でしたが、ガイアナは神、ウツ(宇宙)の世界と 密接でしたので更に壮大な物語でした。 今は、読み終えたことと物語の静かな余韻の中にあって、 言葉として出 てくるものは少ないです。 ただ、最後の最後での展開に私の気持ちが ついていっていないだけかもしれませんが・・・ う~ん、レオダイを笑えません(^^;
ガイアナを読みながら「唯一変化しないことは、変化することだ」 という言葉を思い出していました。 最後まで読み終えた今、更にそれが心に染み入ります。。。 さて、ハ ピでの重要な人物が転生しているとのことでしたが、 ジムレイの前身が分かった時は「うぉっほーい!!」と 心の中で叫んでしまいました。 私としては予想外の人物(←ひ どい。笑)、かつサラの慈愛に嬉しくなりました。本当。これは声を大にして言いたい!サラすごいんです!!(笑)
ガイアナでもたくさんの女人が出てきますが、クロエは見てて飽きない、好きなキャラの1人です。ディワンとの兄妹のような関係も好きですね~。 ユマの錯綜もなんだか分 かる気がしますし、 アガシアの鱗神への想いも....泣きそうになりました。 メランダ、アガシア、トリシアの3姉妹も大好きです。 アガシアもさることながら、メランダとト リシアの組み合わせもお気に入りv 個人的にはハピ、白山姫、ガイアナの一連の流れを通して Amari様から(日本の)女神のご縁を頂きました。 ありがとうございました。 ガ イアナの紫の表紙を見つめながら。。。∞Love∞
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「ハピの巫女姫」はとても壮大な物語でした。例えるなら、ベートーヴェンの交響曲を1番から9番まで聴いたような。...って私、そんなに聴いたことはないのですが(笑) 読み進みながら、ビジュアルが強い人はこんな風に細部まで事細かにみているんだなぁ、と思いました。 ビジュアルというのは、ビジュアル系バンドなどの意味合いでなく (笑)、みる力、という意味でです。
私はどちらかというと聴くという質が強いようなので、文章を書くと(二次創作ものですが。。笑)物語の壮大さを描くというより、キャラの感情を綴るのがメインになりま す。ビジュアルの強い方はキャラの心情はもちろん、建物や着物、食べ物、お天気、匂いなど細部に渡って細かな描写があり、ひと1人ではなく国を巻き込んでの物語になっ ている気がします。 ハピはたくさんのキャラクターが出てきますが、私のお気に入りは半男(今風で言うおネエ)です。 1巻に、半男が集っている中にマルスが来たシーン があります。『半男たちがみな奇声を上げ、マルスが供に食卓に着くと、色白の大男バルは全身を赤らめた。』(P113より引用)想像したらすごく可愛いというか微笑まし く、かつなんだか笑えてとても好きなシーンの1つです。
半男の中でもレアが好きなので、3巻ではうっかり泣いてしまいました。 その3巻、泣き所がいくつかあったのですが、その中でも何故ここで泣いたのかという箇所もありま した。 『ムウの森深い谷の一つに、未だ手の付けられていない晶洞がある。晶洞は、今、人の手によって見い出されることを望んでいる。その水晶はムウの歴史を記憶として 刻んでいる。』(P85)不思議ですが、魂?が「気付いてくれた!」と言っている感じもしたので、もしかしたら嬉し泣きになるのかもしれません。 読破してからは、ヒロイ ンのセイレンをもし日本名にするのなら「青蓮」なのかな、と思ったり。 リーヴの日本名は何故か、生きる、というイメージ...「live」をローマ字読みしたらリーヴと読める からかな?泥の中で咲く蓮の花(セイレン)に生きる力を与える人、な~んて想像を膨らませていました(笑)。
想像を膨らませると言えば、音楽も。楽器で例えるなら、個人的にマルスはヴァイオリン、セイレンはピアノ、リーヴはチェロ。タキやアクサナは、カルメンとか似合うんだ ろうな...なんて思うと笑ってしまいました。誰か「ハピの巫女姫」の曲を作って欲しい、なんて半分本気で思います(笑) 奇しくも、1巻を読破した後に白山菊理姫のアチュ ーンメントを受け、女神の恩恵をその身で感じることも出来ました。次はまた違ったテイストであるというガイアナを読みたいと思います。 Amari様、「ハピの巫女姫」を世 に生み出してくれて、どうもありがとうございました!
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たくさんの登場人物をとても細かく書き分けていて、語りの豊富さと表現力の高さに驚きました。ストーリーが魅力的で、先を読む事の難しい展開に、気が付くと深く入り込 んでしまっていました。風景もそうですが、登場人物の立ち居振る舞い、小物に至るまで、描写が丁寧で美しく、目に浮かぶようでした。 そして、私の心を強く掴んで話さな かったのは、始めから終わりまで一貫している主人公セイレンの精神性の高さでした。
物語の根底にある女神の慈愛、全てを包み込む母性がセイレンの一挙一動を支配していて、それがゆえに生じる悲しみや心の葛藤を意志の強さで、どんな時も美しさに昇華さ せていく勇気と行動力にとても感動させられました。 Amari さんの作品を読むのはこれが初めてですが、Amari さんの小説家としての才能にただただ圧倒させられました。ぜ ひ一度読まれることをお勧めします。そして私も他の作品も読んでみたいと思いました。
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ハピの巫女姫は今まで読んだ小説のなかでも特異な小説でした。大抵のファンタジー小説は人外の存在が出てくると仕方ないとはいえ神族や魔族は人間を見下し、人間サイド がそんな親世代な種族を恨んで世界から追い払うか、盲目的に従うか裏で舌を出している。最後は人間だけが正義の味方みたいで人間が地球を支配してハッピーみたいな小説 やゲームが多く、(しかも神族も魔族もまったく歩みよろうともしないから当然だけど。)そういうものをみるたびにふしぎと傷ついてきました。 でも、ハピやガイアナでは 人外の存在も人間もそれぞれの葛藤を抱きながら何とか歩みよろうとしているのをみて温かい気持ちになりました。
それに何より私が印象に残っているのが、世の邪悪も世界の一面として冷静に受け止めるセイレンの態度でした。世の中から悪はなくらない、戦を好む心や利己心は完全に消 えなくても出来ることを精一杯する。高い理想を見つめながら醜い現実もありのままに受け入れる姿に本当の知性、英知というのは冷たく硬いものではなく、涼しくしなやか なものなのかもしれないと思いました。 好きなセリフは「でも、マルス様 人間は自分の立場からしか物をみれないのです」 突き放すような言葉ですが、じんわりと心にしみ ました。
人的にセイレンと恋情という意味ベストカップルだと感じたのはナスタト王とセイレンです。やってることはDVそのもので女性として許し難いのですが、なぜか憎めないので す。(ガイアナのイスマはそんなに手を挙げないのに妙に失望したのですが...ムウの女神パワーのせいでしょうか(笑)) マルス様はセイレンの夫というより守護霊とか魂の伴侶 という感じで官能というより神聖な関係という感じでしたし、リーヴとセイレンは夫婦のようにも見えましたが、性差を超えた尊敬と友愛という感じでお似合いなのにカップ ルとか恋人な感じがしない。 マルス様とセイレンも夫婦雛そのものにお似合いなのになぜか恋人とか夫婦という言葉が似合わない。 何故かほとんどギスギスしていた暴君ナ スタト王がセイレンの恋人役のように見えていました(笑)
恐らくマルス様やリーヴは天上の愛や地球の愛でナスタトとの関係は血なまぐさく、ストレート過ぎて人間セイレンの恋人になりえたのかもしれないな...と読み終えて漠然と 考えていました。ナスタトが何故か憎めないのは女性を敵視していたのは父王と周囲の臣下たちの偏った教育のために「女性は祖国ツルクを滅ぼしかねない存在」と認識して いたからではないかと思います。 彼は「女は家に籠もってろ。黙ってろ」または「男の仕事(俺たちの仕事)に口を挟むな」とはいっても特に女に苛ついているわけではない ように見えました。
暴力は許せませんが...なのでナスタト王を私は憎めません。彼はまとも育ち、転生すればネクトゥル様とはるくらいのワイルドドン・ファンになってネクトゥル様の人間の飲 み友だちになれたでしょうにと妄想しています(笑) ガイアナにはナスタト王は転生していたのでしょうか(T_T)タキは? レイは? オチは?...過去世を思い出してくれた方々し かわからないです 転生したらみんな幸福になってほしいです。
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以前どなたかのレビューとそしてAmariさんが仰られていたように、私も常々、フィクションやファンタジーの世界にこそ真実が隠れていると思っていて、きっとAmariさんの 描くお話にはそれがあるだろうというのを、直感的にビビビと感じていまして(笑)、Amariさんの著作をいつか読んでみたいとずっと思っていました。
実際に購入しハピが手元に届き、少しドキドキしながら美しい装丁の表紙を捲るとすぐにその世界に引き込まれていきました。ハピの世界から、とろけるようなエナジーが自 身にチャージされていくように感じて、夢中で読みすすめました。 主人公のセイレンをはじめ登場人物たちがとても魅力的に描かれており、ハピの美しい景色や人々の表情や 香りまでもが、あたかも自分がそこにいるかのように思え、そして行ったこともないハピの世界に何故か懐かしさのようなものも感じていました。私にはハピの世界の制度や 人の在り方のほうが、現代社会のギスギスした感じよりもナチュラルに思えてなりません。
聖娼、聖婚などを現代の父権社会の感覚で解釈してしまうと理解にズレがあるのかもしれないけど、ハピに描かれた母系社会のシステムが生きた世界の穏やかさ美しさにはハ ッとさせられます。 また、作中には魅力的な登場人物が沢山登場しますが、その中でもアリストやカヤト、マルスやタキ辺りがお気に入りです。けれども特に印象的だった人 物は、やはりナスタトですね。後でAmariさんにナスタトあんまり人気無いと聞いてビックリ(笑)、あんなに可愛いのに...?!(...と敢えて言っておきます、笑)
このハピを読み始めたころ、Amariさんの読書会Bに参加させて頂くことになったのですが、男女のセクシュアリティについて考える機会がとても増えました。性犯罪などで傷 つく女性がいる一方、現代社会ではある意味男性も被害者なのだと感じています。幼少期に十分に男性も母親の愛情を受けられなかったりして、満たされなった想いや悲しみ などのエネルギーをぶつける場所は結局女性なんだな、と。 そんな意味でナスタトとセイレンの邂逅には、また自分の過去世や3次元での今までの恋愛etcと重なって号泣して しまいました。
セイレンの生き様や様々な登場人物の想いや言葉に、私の魂のどこが清められ救われたような心持がしました。 また純粋にマルスやリーヴとの恋愛模様もとてもロマンティッ クで夢中になります。マルスは天使みたい~と思っていたけど、マルスの正体を聞いてとっても納得。
後半は神々と人と宇宙と自然と愛と聖なる性と、織りなす壮大な叙事詩に、自分もハピの住人のようなつもりになってこぼれる涙と胸の高鳴りを止めることができませんでし た。もしかして、私たちが住んでいるこの世界や日本という国は本当にこうして生まれたんじゃないだろうかと思ってしまいます。どこかでそれを信じている自分がおりま す。 自身の女神性に目覚めたい人や、うっとりするほどの愛のエナジーに浸りたい方にもおすすめのストーリー。ぜひいろんな方に読んでもらいたいものです^^
それにしてもこんな良書を生み出しているAmariさんの多才さには、ただただ感激させられますっ。素晴らしい世界との邂逅をさせて下さったAmariさんに感謝の気持ちでいっ ぱいです。ありがとうございます!
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初めてハピが届いて封を開けた時、その存在から重厚な「世界」のようなものを感じた気がしました。 本、というより書物という言葉の方が個人的にはしっくりきますし、良 い意味での気軽な気持ちでは読みたくない「濃さ」のようなものを感じていました。
鮮やかで生々しく、繊細で美しい表現や情景描写、細やかな心理の動き、細緻な舞台設定など、それらがハピの世界をとてもとてもリアルなものにしていました。読みはじめ るとドカッとその世界がやってくる感じで(笑) また、セイレンを主軸としていても、それぞれに個性が際立った登場人物が多く登場するので、読む人によって誰に感情移入で きるか、自分を重ねるか、も違うのだろうなぁ、と。個人的にはオハラさんやタキも好きです(笑)
活字はその後の自分の血肉になる、と思いますが、そういう意味ではハピはその「世界」ごと自分の中に根付いた感じがします。読み終わって日が浅いせいもあるかも知れま せんが、日常生活のふとした瞬間にハピの情景や登場人物の心理が重なったり思いだされたりします。 というより本当にハピの世界観自体がリアルで...。読む人それぞれ何か を「思い出せる」ような本だと思っています。遠い過去や記憶が刺激されるような、この本を密かに「読むイニシエーション」だと思ってます(笑)
そして最後のクライマックス!! 感動的ですし、予測を裏切られました。頭の中で音楽が聴こえてくるような展開とワクワク、「早く早く、次のページへッ!!」と(笑)文学少年 みたいに入り込んでいました。 最後の章ではまた違った、独立したような新たな世界観を感じましたが、その「時を越えた」感がとても平和で素敵でしたし、明確に「未来」 や「希望」を感じました。読み終わった後のこの現実、今に生きる現代人への感慨も引き出されます。本当にラストシーンのハピの世界と、日本に今生きる自分たちとが交差 するような気がします。
元々ファンタジーやSF系統の作品というのは(表現媒体を問わず)何処かに存在する「事実」や「記憶」を、そのままとは言わずも現していると思っていますので、そういう意 味でもハピは全て自分の中でとてもリアルに感じられました。ニューエイジャーであられるAmariさん執筆なら尚更、「こういうのが読みたかった!!」という(笑) 、ガイアナも とても楽しみです。 最後に、自分が男性だから言えますが、ハピは男性でも充分楽しめる作品です。オトコたちの忠義心的なシーンもありますし(笑)、礼節ある誠実さと共 に、両方がバランスされるような気がしました。 これからの自分の糧となるような作品でした。ありがとうございます!
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「ハピの巫女姫」から読みましたが、ハピとは雰囲気が全く違うのではじめは戸惑いましたが、登場人物たちの伸びやかな心性と優美な文体にすぐにガイアナの住人となって しまいました(笑) 。
個人的に最も心打たれたのは男神ネクトゥル様とアガシア姫のペアです。主従であり、夫婦であり、世界を各々の立場から愛するお二人はまさに理想の伴侶だと感じました。 ネクトゥル様とアガシア姫は傷ついた事があっても苦難さえ明るく楽しみながら受け止めているようでした。故に未来のためとはいえ、愛する者たちから離れる瞬間でさえ、 誰も非難せずに気高いものでした。 いつかアガシア姫とネクトゥル様が輪廻の果てで永久の契りを迎えて頂きたいです。
ネクトゥル様のモデルは日本の男神でいうところの大物主様か諏訪の男神ミシャグジ様でしょうか? 雄々しさと底知れない威厳と残忍さがなんとなく古代の男神 のようなの で(笑)
そして宿命のライバル、レオダイとイスマ(笑)。あの二人は最後まで(レオダイは友情を感じていましたが)水と油のように交わらず、しかし双方ともに死力を尽くして競い あったのは見事でした。葡萄酒と宿命のライバルというとある漫画を思い出すます。神の雫です。あの話もワインを通して人生とは何か 世界とは何か 愛とは何かを探し求め る内容だと感じています。
レオダイの魂は愛に満ちているので素晴らしいものを躊躇いなく受け取れますが、イスマの魂は高貴なはずなのに愛を得られず傷ついて飢えたまま...周りを傷つけてしまう男 なのに惹かれずにいられない女たち(実はわたしも)。イスマの闇をカリスマと考える男たち。似たような男が歴史上にも文学の世界でもよく登場します。人は闇に惹かれず にはいられないのかもしれません。破滅すると知っていても... トリシア姫の慈愛でもイスマの心の傷は癒しきれなかったのが悲しいです。
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スピリチュアルな情報に対しては自分でなかなか実感が持ちづらく、半信半疑になりやすいのですが、一方で私には揺るぎなく「これだ!」と感じられるもの、真実だと感じ られるものがありました。それが文学や芸術の世界です。(映画やマンガなどのエンターテイメントも含みます) それらに心を深く動かされる時、そこには真理のようなもの が潜んでいて、スピリチュアルな世界で説かれているものが説得力を持ってしっかりと息づいているように私には感じられました。
人にはなかなか言えませんでしたが、神話性が脈打つような荒唐無稽なファンタジーほど、何か真理と呼べるような確かな力がその中心で渦巻いているように感じていまし た。それに触れた時に感じる、心が奥底から撹拌されるような、遠い記憶が呼び覚まされるような感覚は、自分にとってはこの世の他の何よりも真実味を持って感じられたの です。
「どんな方なんだろう」と安麻里さまに興味を抱き、ブログを拝読していたところ、私はミュージカルが好きなのですが、
『人間て普段、本当に感じていること、心から思っていることを口に出したり行動できたりしているかと言ったら、決してそうではない。社会的なルールと、空気やら立場や ら、その他色々な面倒くさいしがらみの中で自己表現でしている。でもミュージカルはというと、思ったこと、感じたことが、そのまま歌やダンスとなって、迸り出てくる。 だから人間の真実を形に変えたものがミュージカルである』 ...という記述が、まさに私がミュージカルに対して感じていたことと同じで、さらに『神話やファンタジーの中に 真理がある』、ともおっしゃっていて、とても驚いて感動しました。
さらに驚きは続き、安麻里さまご自身も小説をお書きになっていらっしゃること。そして、「世界樹ブックス」に書いてあった「発刊によせて」の、「女性をめぐる性とジェ ンダー、それに寄り添う男性性、神とは何か、歴史、宗教、生と死、戦争、地球と宇宙、文明の攻防」 ...これらは私がずっと探求したいと思っていたテーマでした。 「も う、これは読むしかない!」そう感じて「ハピの巫女姫」を注文させて頂いたのです。
ネットでほとんど買い物をせず、中身のわからない本はまず買わない私にとっては、これはちょっとした冒険でした(笑)。ですが、「これはもう読まないとウソだろう!」と いう確信がありました。偶然の発見にしては、あまりにも出来すぎていて。
子どもの頃から洋の東西を問わず神話の世界が大好きで、成長するとそれらの神話が持つ類似性に気付き、 「神話は人類の集合意識の宝庫なんだ!」とワクワクしていまし た。専門的な研究などは出来ていませんが、分かりやすいところから本を読んで自分なりに解釈を深めていきました。 普通に生活する上で神話なんて全然必要のないものなの に、私にとっては子どもの頃からどうしようもなく大切で、惹きつけられる存在でした。中でも近年、巫女や女神のモチーフに強く惹かれ、それらのイメージが自分自身が女 性であるということを受け入れることの大きな助けになってくれたことから、さらに大切な存在になりました。
そして、ドキドキしながら開いた「ハピの巫女姫」ですが、本当に心を動かされたものほど言葉にすることが難しくて、もう、なんと書いていいのか分からないのですが... 出 会うべくして出会った物語、心の組成をごっそりと変えてしまうような、...てらいなく言えば、私がずっと求めていた物語だと感じました。本当に本当に素晴らしかったで す。こんな物語を読んでみたかった!具体的な細かい感想を書くと、きりがなくなってしまうので割愛させて頂きますが、まず一巻の「叙事詩」の部分を読んだ時に鳥肌がブ ワッとたちました。「これだ...!!」というような、確信に似た感覚です。
言葉や表現、情景描写が巧みで美しく、とてつもなく面白い小説であるばかりか、自分の中の奥深い何かが呼び覚まされるような、自分の中の何かと化学反応を起こすかのよ うな、もの凄い感覚がありました。 その感覚があまりに強烈過ぎて、そうそう読み返すことができないくらいです(現実に戻ってこられなくなるので...)。 10代の頃のようにわ が身を忘れて物語の中に没入するという経験は―それも「ファンタジー」と呼ばれる類のものに対しては、なかなか難しくなっていたのですが、「ハピ」にはどっぷりと奥深 くまで潜り込んでしまいました。
そして、それは私にとって本当に幸せで心地よい体験でした。 登場人物みんながくっきりとした輪郭を持って生きていました。そして、世界が生きて、呼吸していて、確かに ここにある―そう感じられたのです。それはもう美しく、色鮮やかに。人びとが織りなす人間模様の面白さや魅力だけではなく、神や宇宙といったものへの深い洞察が、物語 を通じて血管の中に注入されるようにして自分の中に入ってくる様で、まるで頭の中にもの凄い勢いで宇宙が広がっていくような感覚でした。 瑣末なことに心を煩わせたり悩 み苦しんだり、日々その繰り返しばかりしていますが、「ハピの巫女姫」を読み、セイレンの心象にふれるとき、またウツの悠久にふれるとき、もっと大きな視点で、もっと 広い視野と深い洞察を持って生きていきたい...そんな風に思えたのです。
私は物語の中でセイレンと共に生き、ハピの滅亡を見届け、新世界の息吹を感じることができました。 それは、完全に別世界で異なる人生を生きたかのような体験でした。 素晴らしかったのはそれが一過性のもの―ひとときの幻想ではなく、現実の自分に生きる力を与えてくれること、その経験が自分を豊かにしてくれたということです。そんな 風に感じられる物語を書くことが、私の夢でした。でした、というか、今もなんですけど(笑)。
そして、「ハピの巫女姫」とセイレンとの出会いは、長い間受け入れることができずに苦しんでいた自身の女性性を癒してくれたように思うのです。 このように、不思議な巡 り合わせで出会った「ハピの巫女姫」は、私に大きなものをもたらしてくれました。エネルギーワークなどに関しては私はまったくの素人なのですが、「ハピ」の物語に内在 するエネルギーの美しさ、深みのある豊かさはしっかりと感じることができました。 最後になりましたが、「ハピの巫女姫」を執筆して下さり、ありがとうございました。 本当に素晴らしい出会いでした。
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「ハピ」を読んでいると、日々の生活が臨場感を持って描かれていて、まるでその時代に生きているような錯覚に陥ります。手触りや音、匂い、色・・・描写が細部にわたっ ているせいでしょうか。時々、セイレンになりきっていました。 セイレンになりきるのはいいのですが、母系社会は当然のことながら、自分には、夫が複数いて、夫にも妻が 複数いる・・・。現代日本に生きる自分が、この制度を受け入れられるのか?というのが、第一関門でした。
ここで仮に現代の社会制度をとりはらって、正直な気持ちを考えてみると、「妻に夫が複数いることはやぶさかではない。一方夫に妻が複数いるのは、複雑な心境であ る・・・。」というところです。 セイレンも初めの頃、嫉妬という感情は持ったみたいで、少し安心しました。 とは言っても、私は今、一夫一婦制の核家族で生活していま す。そんな私でも自分を「家族ってこういうもの」というパターンに当てはめてみても、合わなかったり無理だったりして、「周りからどう思われようと構わない!」と決断 することはありました。今、家族関係は少しずつ変わってきているのだと思います。
天皇家では、今男児が生まれなくて困っていますね。長い日本の歴史の中で女帝を認めなくなったのは明治以降でしょうから、実は初めての試みでもあるのでお妃様が悩む訳 ですね。日本のお妃様は、自分で決断する訳にいきませんから。少なくとも「ハピ」の文化では、セイレンは子どもが生まれなくても後継者問題では悩まなかったし、周囲か ら責められるようなことは全くありませんでした。
そして、第二関門。聖婚、聖娼制度というものを、制度として受け入れることができるか。これについても、読書中は物語の展開に夢中になり、電車の中、あるいは家で睡眠 不足になりながら、すっかり「ハピ国民」になりきっていたので、「ハピ」という国ではこんな制度でもって、人々が幸せに暮らしていたのだな~、このように女性が巫女と して社会を治めると、男性が力で圧す政治とは違うのだな~と、ごく自然に受け止めていました。 聖婚の儀式とは国民が祝う神聖なるもので、聖娼になることは名誉な事なん だ! しかし、現代の私たちは、結婚は皆で祝いますが性をそれ程前面には出しませんし、娼婦については正反対の受け止め方をします。
レムリアントランスミッションの「マーラ」の説明には、「マーラのスピリットが二人のマリアとして生まれてくる・・・マーラは母と妻、二人のマリアとして自らの魂を二 分して三次元に生まれました。妻と母とは、言い方を変えれば、「癒し」のマリアと「愛」のマリア。母なる女神と、聖娼としての巫女、という二つの側面です。」とありま すが、これには「なるほど」と思いました。 キリスト教では、マグダラのマリアは「悔い改めた娼婦」として有名ですが、どこかで読んだ通り、本当はイエス・キリストの妻 であり、そして聖母マリアは、受胎告知によって、イエス・キリストを懐妊したのではなく人間の母として普通に妊娠したのだろう、と思っています。
そうすると、マグダラのマリアは、聖娼のような立場にあったのでしょうか? そうであってもなくても、人間の歴史はそのような事は隠さなければならなかったようです。 性が聖なるものとして、これだけ超肯定的に描かれているものには、初めて出会ったような気がします。「ハピ国民」なら、女性が(男性も)性についてこれ程悩んだりしな いのでしょうね。特に体が変化していく思春期の青少年にとっては、成長することが素直な喜びとなり、福音(どうも、キリスト教的になっています)ではないでしょうか。 性=聖。今まで私にはなかった発想です。
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しばらく前にハピを読み終え、余韻から抜け出したかな~と思ったところで、ガイアナを読み始めています。 (ああ、やっぱり、セイレンと***のシーンは号泣ですね (T_T))
私にとって一つ面白いことがあるのです。 初めて読んだとき、マルスのことを全くイメージできませんでした。 とっても麗しい方なのはわかるのですが、自分にとってはな んだか遠い感じの人、でした。 後でゼフィとわかり、ああ、だからなのか・・・人ではないような雰囲気に 遠い感じがしたのかな?となんとなく思っていたのです。 でも、 2回目3回目と読むうちにマルスのことが近くに感じるようになったのです!
マルスの想いも感じることができるようになった気がするのです。 それによってセイレン、リーヴ、マルス達の愛というか波動に、より近づけたことが 嬉しかったし、ちょっ とした驚きでもありました。 こんな風に自分の変化を感じることができるなんて、ありがたいな~と思ってます。 次の小説もとっても楽しみです(*^_^*)
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一年前、「ハピの巫女姫」をよみ、普通に行けば、同じ作者の書物を読みあさるところ、ガイアナは関係ないと・・・。これが、周波数の違いなのでしょうか、1度目の白山 姫アチューンメントが終わったあと急に気になりだしました。サンプルを読み、セイレンやトリの巫女姫の憂鬱?憂いがAmariさんの憂いと重なり・・・私は、まだまだ、こ の世界では赤ちゃんクラスですが、切望したレコンのシャーマンとして、少しでも出来ることをしたいと思うのです。 そして、このガイアナを紐解く時期が今だったようで す。レコン・エヴオリューション・白山姫・・・と 一連のセッションの流れの中の一つのピースとしてガイアナがあります。
私の中に、常に不可解で飲み込めない感情がありました。それが、まさに“感情”がメインなのです。この3次元に暮らす私たちにとって手放したくても手放せず、この感情にふ りまわされもまた、憎愛をはかり・・・しんどく、あさましくも純粋で熱いこの感情が私たち人間を形成している。この感情を手放すことがアセッション、神に近づくことな のか・・・?と飲み込めないものがありましたが、答えをこの中に見つけることができました。(しかし、まだまだ自身の中にペースト出来ている訳ではありません。)
私は、感情の生き物である人間が好きな魂なのです。そして、最高域の神界の意識でさえ人の感情を体感すべくトリシアとして人界に降臨されるという、この今までにない真 逆の真実を知りました。 私の受ける感としてこの書は、物語としてでなく魂の歴史書、叙事詩のように読み進めていきました。登場人物の印象、素晴らしさは、皆さんが述べ られている通りですし・・・物語としてとらえるならば、カヤトの転生が、魂のカラーとしてとてもよく現れているのではないかと思います。
そして、私がデジャブを感じてしまうのが、ハピのセイレンが訪れる中庭、城からパヒの城下を見下ろす景色。ガイアナのセレシアの女神の館の何棟かが両脇に立ち並ぶ景 色、その小さな庭、庭の空気・・・人より風景? そういえば、一番最初のセッションのおりか、私のまわりに白鳥の気配があり、白鳥にご縁があるようですよ・・とお伝え いただきました。私は、やはり女神信仰を崇め、トリシアやセイレンのようなお方にお仕えしていた者かもしれないな・・・なんて思いをはせました。 感情に翻弄されなが ら、自らを受け止めていくすべての登場人物の魂の高さ高潔さに敬意をはらい、その全てを表現されるAmariさんの意識にも敬意をはらいたいです。ありがとうございます。